ピタゴラスの定理の神秘
先日、を計算する必要が生じました。そこで、当然のようにガウス積分と同じ方法で計算しようとしたのですが、はたと手が止まってしまいました。
求める積分値の2乗、或いは4乗を重積分で計算しようとしても、が極座標に変換できないのです。
そのとき改めて、の形の積分の中でも、の解法*1はかなり特殊だということを思い知らされました。どういう点で特殊かと言うと、三平方の定理という幾何学の定理に依存している点です。
思い返してみると、ベクトルや複素数のノルム(絶対値)の定義式や、三角関数の性質()においても、三平方の定理が念頭に置かれています。
このような代数学の定義や公理に、そして冒頭の例のように解析的に積分値が定まるか否かという点に、ユークリッド幾何学で成立するひとつの定理が垣間見ると言うのは、非常に面白いと同時に、少し奇妙な感じがします。
漠然とした問い掛けですが、何故直角を挟む辺の平方和が、別の方法で測れる値とピタリ一致するのでしょうか・・・。
もっというと、百歩譲ってを認めたとして、である必然性はどこにあるのでしょうか*2??(例えば、平面の次元が2であることや、三角形の辺の数が3であることの必然的な結果ではありません)
一例として、人工的にに従う非ユークリッド空間*3を構成したとして、(その方法で、各点間の距離がconsistentに定義できるかどうかは未確認ですが、)その2次元実空間と複素平面を同型対応させて複素数を定義する*4とどうなるのでしょうか。(その場合に複素関数の種々の性質、例えば1階微分可能性と解析性が等価であるなどの性質が成り立つのでしょうか?)
僕がググった範囲では、そういう方向性の研究は見当たらなかったのですが、もしご存知の方がいらっしゃったら教えてください・・・。