男女共同参画社会

まずは喩え話から始めたい。



世の中に、F1カーと普通自動車(以下、普通車)の2種類しか乗り物が存在しない世界を仮定しよう。そして、大勢の人が大阪―東京間を移動したいとする。


F1カーは高速走行のために設計されており、一方で普通車は快適な乗り心地を追求して設計されている。
だから従来は、F1カーは同乗者を乗せずに、200km/h で高速道路を走行していた。一方で普通車は、車を運転できない子供などを乗せて、下道を60km/h で走行していた。
この役割分担は、本来の車の構造上、理にかなった棲み分けであった。なぜなら、

  • 冷暖房やハンドルの「あそび」を備えていないF1カーに同乗者を乗せても快適な乗り心地は得られない

し、一方で、

  • 重心が高くて横転しやすいことに加えて、ハンドルに「あそび」がある普通車が高速運転をするのは危険

だからである。
両者の車は、どちらが優れていてどちらが劣っているというわけではないが、それぞれが上記のような特性を持っている。


しかし、時代とともに技術が進歩して、200km/h 走行できる設計の普通車が開発された。
すると、いつも下道を走っている一部の*1普通車たちの間に不満が募り始めた。
「一部の普通車だって 200km/h 走行できるのに、F1カーばかりが高速道路を利用している。普通車にも高速道路を利用させて欲しい。さらに、いつも普通車が同乗者を運んでいるが、たまにはF1カーも同乗者を運ばないと不公平ではないか?」


それを受けて、行政は

  • 普通車を積極的に走行させるように、高速道路会社に対して促した。
  • 普通車がF1カーと同じような安全性を持って高速道路を走行できるように、カーブの曲率半径を大きくした。


それ以来、一部の普通車が高速道路を利用するようになり、また同乗者を乗せるF1カーも走り始めた。

  • しかし、普通車は構造上F1カーよりも屋根が高いこともあり、他のF1カーの視界を遮ってしまうというデメリットもあった。
  • また、高速道路を走行する普通車にとってもF1カーにとっても、同乗者が足かせになるということで、同乗者を乗せたがらない風潮が広まった。
  • さらに、F1カーが下道を利用する例はあまりなかったために、高速道路は以前より混雑するようになった。


そこで、対応策として、

  • 普通車が走行してもF1カーの視界を遮らないように、高速道路の側面に鏡を設置した。
  • 同乗者の利便性を損なわないように、同乗者を乗せた車(F1カー、普通車)を金銭的に支援した。


そして、現在では行政は、普通車が高速道路を利用する環境を整えるために投資した借金と、高速道路の渋滞問題に頭を悩ませている…。


ここで登場した用語を、「F1カー」→「男性」、「自動車」→「女性」、「同乗者」→「子供」、「渋滞問題」→「雇用問題」と置き換えてみると、今の世の中を表しているように見える。





女性が働くなとは言わないけど、毎年数兆円ものお金を費やしてまで、男女共同参画を実現する必要があるのかな・・・。


無理に育児と仕事を両立しようとせずに、せめて末っ子が小学校を卒業するくらいまでは専業主婦/専業主夫が子供の面倒をみたほうが、子供の教育上良いと思うんだけど・・・。
すると、からだの構造上、どちらかと言えば主婦が面倒をみるほうが合理的な気がする。
・・・そりゃあ僕だって、専業主夫になって社会で働かずに済むならそうしたいけどさ。

*1:「それでも、実際にカーブのある道で、普通車で 200km/h 走行するのは危険なので怖い」と感じる普通車たちも一定の割合存在したが。