アニメ化という位置づけ

売り上げランキング上位のゲーム「あかね色に染まる坂」が10月からアニメ化されることで、各所で取り上げられています。

個人的にはfengの作品は好きなのですが、「あかね色」は確かにキャラクターは可愛いけれど、シナリオがヲタの妄想すぎる嫌いがあって、あまり好きになれないです。ちなみにキャラクターの魅力だけなら、似たような舞台設定でもカラフルアクアリウムのほうが上だと思います
もう1つ有名な「青空の見える丘」のほうが、萌えだけではなく、ストーリーについて考えさせられる要因があって、こちらを是非アニメ化して欲しいと思っています。


ともかく、「豪華声優陣」という宣伝文句に釣られて、声優を調べてみました。
優姫の声優に釘を起用というのは、1択なので当然で、その他の豪華声優陣も理解できるのですが、平野綾に妹キャラ??? ただの広告塔かな??
・・・と思ったのですが、よく考えたら湊はこういうキャラだから、確かに平野綾さんが合うのかも。
まぁ、前例がないだけで、平野綾さんならどんな役でもそつなくこなしそうな気はするけどね。


ところで、このような作品がアニメ化される場合、長いストーリーをかいつまんで13話の枠に収めようとするので、盛り上がりに欠けたり、ストーリーが飛躍することがありますね。ましてや、アニメでオリジナルストーリーが展開されるケースは少ないです。
このようなゲームやラノベ原作の作品がアニメ化されるときに、「原作のほうがよかった」とか議論したがる人がいますが、原作に深くはまった後にかいつまんだストーリーを見せられたら原作のほうがよかったと感じるのはある意味当然だと思います。
アニメの役割としては、原作を知らない人にも簡潔に面白さを伝えることなのだと思います。


一方で、アニメ化の際の難しさもあります。ストーリー性の高いゲームは、特定のヒロインと仲良くなって初めて本当の面白さに到達できるので、アニメでもある程度ストーリーを進めないといけません。でも、せっかくアニメ化しても1人のシナリオだけしか流さないと、原作ユーザーなどから不満の声が上がります個人的には、「Clover Point」の夜々のように1人のヒロインに人気が集中する作品は、そのキャラのルートだけでも良いと思うのですが・・・まあ、Meteorが解散した今となっては儚い夢か。Meteorの作品は全部やったけど、Clover Pointだけが異常に面白くて、将来が楽しみだったので残念です。。とはいえ、一度のアニメで複数のヒロインのシナリオを実現しようとすると、繋がりが不自然になってしまうことも多いです。

アニメ化の際の工夫としては、「ダ・カーポ(無印)」や「gift」のように、ヒロインのひとり(さくら・霧乃)に嫉妬を抱かせて、三角関係というアニメオリジナルストーリーを展開する方法です。
この方法は、原作を知っている人にとっては面白いかもしれないけれど、原作の良さを簡潔に伝えるという上記の役割を果たしきれないし、オリジナルストーリーがつまらないと元も子もないので、なかなか難しいようです。
true tears」に至っては、ストーリー・舞台設定・登場人物すべてを新しくしてアニメ化をしましたが、これだとタイトルだけ残す意味があるのだろうか・・・と思ってしまいます(しかも原作よりもアニメのほうが圧倒的に面白かったし)

次に、原作自体に対する工夫。例えば、ストーリーを戦闘モノやRPGモノにすれば、アニメ化の際の支障は少ないです(ex. 「うたわれるもの」、「soul link」)。
しかし、それだと泣きゲーの代名詞であるkeyの作品(KanonAIRCLANNAD・・・)のようなネ申作品はアニメ化できなくなってしまいます。そこは京アニクオリティにお任せ♪

他の方法として、従来の「1人の主人公に対して多数のヒロイン」という、この業界のスタイルを変更する方法もあります。「君と恋して結ばれて」や「ef -a fairy tale of the two.」などは、いろんな主人公からの視点が楽しめる作品です。このスタイルであれば、アニメ化の際に主人公の心情変化が不自然になること
マルチサイドのゲームとして先駆的なものとして、「紅蓮に染まる銀のロザリオ」が挙げられますが、これはzapping機能が使いにくくて、微妙でした。あるシナリオを終えてから、そのシナリオで疑問に思ったところが別のシナリオで解決されるタイプのほうが読みやすいですね。
「Aster」では沙耶の事故の真相が、複数のシナリオによって徐々に明らかになるタイプで、アニメ化の際の便利以外でも、マルチサイドという設定をうまく生かされていました(が、肝心のヒロインが沙耶と沙希以外微妙でしたw)

その他、「水夏」においても章ごとに主人公とヒロインが異なって、一見無関係に見えるストーリーが裏で繋がっていたようですが、アニメではただでさえ原作のように深い部分を読み取りづらいので、「水夏」のような作品をアニメ化しても繋がりが分かりにくくなってしまいますね。