ゲーム理論への誘い

今日は皆さんに、囚人のコスプレPrisoners' dilemma)というゲーム理論のトピックを紹介します。


例えば、すか という人物とその友人Aが、明後日くらいに友人 シーボ のラジオに、同じ時間帯に出演すると仮定する。

2人とも「コスプレ経験者」と宣伝されてしまったため、2人ともコスプレをして来ないと一部視聴者から興ざめな目で見られてしまう。このとき、2人とも1ポイント失うとする。

しかし、一方がコスプレをして、他方がコスプレをしない場合、コスプレをした側だけが恥ずかしい思いをして、他方は客観的にネタを楽しめることになる。このとき、前者が10ポイントを失い、後者が10ポイントを獲得するとする。

最後に、2人ともコスプレをした場合、良いネタ作りになる利得を、恥ずかしさが一部相殺するものの、2人とも5ポイントを得るとする。


以上まとめると、以下のようになる。

ここで、「協調」はコスプレをすること、「裏切り」はコスプレをしないことを意味する。
コスプレをするためには服を持参しないといけないし、かと言って、服を持って行ったら強制的に着せられるので、お互いの戦略を事前に知ることはできない。


この状況設定において、すか の戦略を知らないAにとっては、すか が協調しても裏切っても、裏切ったほうが得である。
同様に、Aの戦略を知らない すか にとっても、裏切ったほうが得をすることになる。


このように、お互いのコスプレイヤーが、自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない状態のことを、コスプレ均衡Nash equilibrium)と呼ぶ。
今の例では、2人ともコスプレをしない状態が、コスプレ均衡にある。


しかし、この状態は両者にとって最適な状態ではない。
すなわち、真にコスプレ最適Pareto optimal)である状態は、2人ともコスプレをする状態である。