ES細胞と卵アレルギー

Googleニュースを見ていたら、こんな記事を見つけました。
低アレルギー卵産む鶏誕生へ、インフルワクチン製造に期待 (2009年5月2日16時08分 読売新聞)


要約すると、ES細胞を応用して、卵アレルギー患者にも接種できるワクチンが実現する、ということらしいです。

ES細胞やiPS細胞と言えば、ヒトに再生医療を行うためだけの研究だと思っていたのですが、こんな応用も可能なんですね・・・。僕にとっては、コロンブスの卵でした。



蛇足ながら、僕なりに補足しておきます。


インフルエンザワクチンは、鶏卵内で増殖させたウイルスを無毒化して作るのが一般的。卵の成分がわずかに残るため、重い卵アレルギーの人は接種を避けるのが望ましいとされる。
そうなんですよね。そのせいで、僕もインフルエンザの注射は受けたことがないし、去年、一昨年と世間が麻疹で騒がれたときにも通常の方法でワクチン接種が受けられず、そのときには抗体が十分にあったから良かったものの、抗体が足りなかったとしても(リスクを天秤にかけたら)ワクチン接種はしないほうが良いだろうと医師に言われました。


ところで、「これでアレルギー患者にも食べられる卵が発売されるのかな?」と思ったら、次のような但し書きがありました。


食品としては安全性のハードルがあるが、医薬品には早期の応用が期待でき、アレルギーのある人に朗報
「安全性のハードル」とはどんな意味だろう??? 僕は生物は専門外なのですが、この文章の意味が気になったので少し考えてみました。
例えば、ES細胞の代わりにiPS細胞を使った場合、遺伝子の組み込みに用いるガン化因子が問題になるのかな、とも思ったけど、ガンになった鶏の卵を食べても人間の細胞はガンにならないですよね??
ましてや、ES細胞(をヒトに適用する場合)の問題点は、倫理面と拒絶反応だけなはずなので、どちらも家畜に適用する場合には問題にならないと思います。
この記事で言う「ハードル」とは、「新たな科学の発展が必要」という意味ではなく、たんに「法的な整備や大量生産の際のコンタミ防止」という程度なのでしょうか・・・?
生物に詳しい人がいたら、誰か教えてください。。。